パンドラ1馬身半ちぎられV/エ女王杯

パンドラ1馬身半ちぎられV/エ女王杯

大喜びの関口房朗オーナー(撮影・山岸満) <エリザベス女王杯>

 フサイチパンドラの関口オーナーは、2着に入線した愛馬のレースを見届け競馬場を後にしようとした。「斜行があったのは分かっていたけど、向こうの馬は強かったしね。あきらめて帰ろうとした」。数分後、秘書の電話に着順変更の知らせが…。慌てて検量室前にやってきた姿には、半信半疑の表情が見て取れた。勝ち馬降着という形で舞い込んだG1制覇。「馬が一生懸命に走ってくれた。福永くんも『今日はやる』と言ってくれていた」と、人馬の健闘をたたえた。

 福永騎手も馬の頑張りを口にした。「スカッとした勝ち方ではないが、2着に残った走りをたたえたい」。ジョッキーの頭脳プレーがゴール前の頑張りを引き出した。「調教でもムチを入れると頭を上げて嫌がる。今日は最後までステッキを入れずにおこう」。高い能力がありながら、実戦で力を出し切れない。気分よく走らせるにはどうしたらいいか。考え抜いた陣営の努力を、勝利の女神は見捨てなかった。

 前日に4億9000万円馬ザサンデーフサイチの骨折が判明。来春のクラシックが絶望となった。関口オーナーにとって、まさに激動の1週間だった。「競馬に負けて勝負に勝った。でも、これが競馬。素直に勝ったという喜びに浸ります」。どん底の気持ちで迎えた日曜日、最後の最後に思わぬ幸運が訪れた。【鈴木良一】